猪苗代町の土津(はにつ)神社で会津藩祖・保科正之を詣でたあと、隣接する磐梯町の慧日寺で僧徳一の教えに触れながら金堂や中門を拝観する▼その磐梯町の西隣、湯川村には国宝の薬師如来坐像などをまつり七堂伽藍を備えていた東北屈指の古刹勝常寺がある。ここから近隣の会津美里町に中田観音、会津坂下町に立木観音、少し足を延ばした西会津町に鳥追観音があって、この3つを巡れば大往生できるという「会津ころり三観音」▼西会津なら〝なじょな願いも聞きなさる〟大山祇神社が、会津美里なら会津総鎮守・あやめの伊佐須美神社がある。会津坂下の先、会津柳津町には赤べこの福満虚空蔵尊圓蔵寺が鎮座する▼祈りの季節の8月、会津を旅した。ここには「仏都」というわかりやすいメッセージがある。会津藩という歴史に彩られたまちづくりも、会津若松市内を車でなく歩いてみるととてもわかりやすい。歩きながら考える。いわきって器用貧乏になっていないか。
片隅抄