「F―REIは復興に向けた夢と希望で、創造的復興の中核拠点である。福島に立地する研究施設の取り組みに横串をさし、司令塔としての機能を発揮してもらう」▼原発事故からの復興を目指して、政府が浪江町に整備した国内外の研究者が集う拠点「福島国際研究教育機構(F―REI)」の式典で、岸田首相が力強く語った言葉だ。原発事故から12年が経過し、福島を取り巻く環境は変化している。そうした中で、国内外の英知が浜通りに結集することは期待が大きい▼一方で市内郷支所にいわき出張所が発足したが、現時点では職員は常駐しない。あくまで関係者との意見交換の場という。これだけ壮大なプロジェクトにもかかわらず、部屋があるだけでは正直寂しい▼山崎光悦理事長は、いわき市は浜通りの中心都市として、今後果たす役割は大きいとも話していた。F―REIは始動したばかり。いわき市にもたらされる効果を、いまから楽しみにしている。
片隅抄