この7月で65歳になる。子供のころに感じた〝おじいちゃん〟のイメージも長寿国日本にあってはまだまだ若い▼先日、年金申し込みの書類が届いたこともあって、自分の年齢を実感したのだった。〝六文銭〟は三途の川の渡し賃だが、〝年金〟は老後という厳しい荒波に向かう渡し賃だ。書類を見ながら自分のこれからの人生設計をきちんと考えねばと思った▼90歳を超えての大往生もあれば、50、60の若さで亡くなる人もいる。父は90過ぎまで生きたが最後の3年ほどは体を壊して入院したり施設暮らしだった。94歳の母も自宅で寝たきりの老後を送っている。自分では何もできず、ただ生かされている日々。そうかと思えば、これから充実した老後が始まるはずだった兄が67歳で突然死してしまった▼心身が健康なうちは働いていたい。長寿でなくてもいいから最低限自分で動ける体を維持した老後でいたい。年金の書類を前に、老後への覚悟を迫られたような気がした。