雨降りしきる4月30日、21世紀の森公園内にある人工芝の多目的広場で、中学生たちのサッカー大会準決勝、決勝が行われた▼柵を隔てた隣にはJ2いわきFCのホームスタジアムとしてプロ仕様に模様替えされたいわきグリーンフィールドがある。そこは天然芝で、従来の得点板と時間経過がわかる時計付きボードに加え、豪華な大型ビジョンが設置されている▼前日行われた長崎との公式戦の余韻が残る30日はクローズで、3日のU―18サッカーリーグ福島の試合まで芝の養生期間に充てられる。それをわかっていて敢えていえば、最終日まで勝ち残ったごほうびにフィールドで試合をさせたかった▼プロのように自分のプレーが画面にリプレイされるのは無理でも、大型ビジョンに自分の名前が表示されるだけで子どもたちは奮い立つのではないか。立って応援していた家族も座って観客席からわが子のプレーを見渡せる。人手と費用の問題もあるが、実現できないものか。
片隅抄