不甲斐ない戦いが続く。エース有田稜のドッピエッタで勝利した第10節で明るい兆しが見え始めたかと思ったが、魔境と評されるJ2はそう甘くはなかった▼セカンドボールが拾えない、守備のマークがずれるなど戦術的課題は多いが、何より選手から覇気を感じられない。歴史的快勝と清水をたたえる報道が並んだ第14節。元日本代表乾貴士の個人技や古豪の底力に翻ろうされただけにとどまらない、高い壁にぶち当たった感がする▼9連敗を喫し、最下位に沈んだJリーグ元年の浦和レッズを思い起こす。浦和は当時〝お荷物〟とまで呼ばれたが、アルゼンチンからドイツ路線に舵を切り3年目で大飛躍。先日のACLで3度目Vを飾るほどの強豪へと成り上がった▼翻っていわき。リーグはまだ一巡目。スタイルを変える必要はない。ただ〝何か〟を変える必要性はあるだろう。けが人続出は言い訳に過ぎない。J3王者の自信と誇りを持ち、一戦必勝で挑んでほしい。
片隅抄