ＳＮＳの動画を見ていると、議会中に居眠りをしている議員の姿がよく登場する。隣の議員が見かねて注意をしても、また寝てしまうのだ▼ある市長は議会中、「一度も質問に立ったことのない議員がいる。恥ずかしくないのか」と怠慢を喝破していた。またある防衛大臣は、国防に精通している野党議員から質問を受けて答弁がしどろもどろとなり、見かねた省庁の役人が再三後ろから助け舟を出したものだから、質問した議員が呆れる様子が映し出されていた▼今回の野村農水大臣の「汚染水」発言はテレビの画面でしか推察できないが、大臣の資質どうこう以前の、79歳という高齢による老いが原因ではないか。だから自らの発言の重大さを自覚していない▼でなければあんな簡単な謝罪の文言を自分の言葉で述べず、原稿に目を落として棒読みするはずはない。長く議員を務めたご褒美に大臣になり、つまらないことで辞任するケースがよくあるが、なんて無責任なんだ。
