本国の4大公害病といえば、水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく。授業で教わったが、病状や原因の知識は教科書範囲内。高度成長期の光と闇、その程度の認識でしかなかった▼東電福島第一原子力発電所事故を機に市民や双葉郡からの避難者、支援者の対話の場を設けている未来会議は、熊本県水俣市の市立水俣病資料館で語り部をしている杉本薫さんを招き講演会を行った▼認定患者を家族に持ち、過酷な体験を繰り返した杉本さんの言葉の重みに圧倒される中、原発事故で我々が抱えた苦しみ、悩みなどで重なる部分が多くあることを知った。沖縄との類似点は頻繁に取り上げられたが、抄子は報道の視点からも水俣により親近感を覚えた▼水俣の子は5年生になると、授業で10時間ほど水俣病を学ぶという。結構な時間を割くのだと知り驚いた。では、いわきはどうか。原発事故はもちろん、水俣病も現在進行形。教訓を生かさなければならない。