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片隅抄

2024.01.09

東日本大震災では、ひと月ほど続いた断水により衛生面で苦心した。食料や飲み水は確保できたがトイレを流す水が足りない。最初は残り湯を使い、なくなると近くの沢からくみ上げることでしのいだ▼本市の下水施設は大事に至らず稼働していたため、自宅での暮らしは何とかなったが、避難所はそうはいかない。トイレの絶対数が足りなければ不衛生な環境となり、健康にも影響が出かねない▼能登半島地震で甚大な被害を被った石川県輪島市の避難所に先日、宮城県気仙沼市のトイレトレーラーが到着した。お笑いコンビのサンドウィッチマンが震災時に立ち上げた義援金を活用した寄贈車で、2人の提案から派遣が実現したという。自らも被災し事あるごとに被災地に寄り添ってきた、2人らしい心配りだ▼大災害の発生から1週間。余震も続く中、断水に加え連日の寒さが被災地を苦しめている。いま何が必要で、何ができるのか。災害支援は一筋縄にはいかない。

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