甚大な被害を及ぼした能登半島地震。土砂崩れ、津波、家屋倒壊に加え石川県輪島市の「朝市通り」では大規模火災が発生、鎮火した現在も捜索が続いている。新年早々の災禍に言葉もない▼火災関連では8日、東京・目白の田中角栄元首相の邸宅が全焼した。角栄氏の死後1度、バスツアーに参加し、敷地内に足を運んだことがある。もっとも、案内されたのは陳情客を受け付ける講堂のみで居住棟、母屋などは見ることができなかった▼中国の要人が邸宅を訪れた際の映像を見ることがあったが、ある記者が「ロッキード事件の話はしましたか」と質問したとたん、「そんな話はしてない!どこの新聞社だ」と激怒▼「××新聞です」「そうか××新聞か」と一瞬間を置いた。マスコミにも影響ある人物だけに、心当たりを思い浮かべたのだろう。政治姿勢に賛否はあるが、実行力と情のもろさは知るところである。災害が起きるたび、その手腕を想像してしまう。