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片隅抄

2024.03.15

今月に入り、公立・私立中学校卒業式、県立高校合格発表と次のステップに向けたステージが続いている。希望に満ちた若者の前途を祝したいのだが、この時期どうしても東日本大震災に触れざるを得ない▼未曾有の災害から13年。「3・11」と記号化されてから久しく、未体験の世代も少しずつ増えている。こちらが若年の人たちと話す時、「発生当時どこにいたか。どうやって逃げたか」など記憶に留めていることを伝えている▼地震の揺れを例えれば、きょう午前0時過ぎ、本県で観測した最大震度5弱の衝撃。この突き上げるような感覚が数十秒間続いたというべきか。しかも何の前触れもなくである。仮に命は助かったとしても、その後に起きる日常生活の混乱がある▼災害は時を選ばないことを夜中の地震で再確認した。「ゴォーン」とした地鳴りを感じ、点けていたテレビの音量を下げた。それからの揺れである。あの厭な記憶が呼び起こされた。

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