昨年の暑さを思い出すと、ちょうどこの日がそうだった。旧磐城平藩主安藤家の初代当主重信公(良善)没404年の遠忌に当たる「良善忌茶会」が明29日、平・古鍛冶町の同寺で行われる▼新型コロナの影響で、前回4年ぶりに催された。今回も、同家伝来の御家流茶道17世宗家、香道12世家元の安藤綾冠さんが献茶を行うなど、盛会が予想される。ほかにも山門には戊辰戦争時の弾痕の跡が見られる▼境内にはこの戦いで散った人たちの弔う墓があり、郷土が戦場になったことに思いを深くする。さて、本社などが後援する「幕末の儒学者たち展」が郡山市の安積国造神社会館で開かれている▼知人が携わっていることから、ギャラリートークを務めた。先日、その1回目があった。知人の話によると、講話後に質問を受けた際、郷土史家らしい人が会津藩の敗北原因など、延々と自身の歴史観を開陳したという。場の雰囲気を考えない人が時にいたりする。
片隅抄