高校野球の取材を始めたのは昭和60年頃。この年、第67回大会の3回戦では勿来工が福島東と延長18回、4時間10分の激闘をした。4―0とリードする勿来工に福島東が九回裏、一挙4点を返して追いつき、そこから互いに0行進。再試合直前の18回裏に福島東がサヨナラ勝ちしたのだった▼現在は10回以降タイブレーク制に変わったが、1点を取れそうで取れなかったり、5点先行しても追いつかれたりと、この〝無死一・二塁〟からというルールのさじ加減が絶妙なのだ▼バレーボールも昔はサイドアウトの繰り返しで得点がなかなか動かなかったが、ラリーポイント制に変わってからテンポのいいスリリングな、見ていて楽しい試合が展開させるようになった▼福島大会も16校を残すのみ。今年は聖光、学石にも付け入る隙があるとみている。ただし失策や四死球、バント失敗など先に綻びを見せないこと。攻守に勝ちパターンを持っているいわき勢3校に期待が高まる。
片隅抄