9月第1土曜日の今朝、わが集落で古くから続いている山の恵みに感謝する行事が行われた▼といっても大仰な儀式ではなく、山の神様である祠に御神酒と酢の物を供え、伸び放題の散髪・整髪よろしく、役員が祠を掃除し、周りの雑草を刈り取り、余分な枝打ちをするというもの▼長く続く少子高齢化で農業の形態が変わり、今では訪れる人の陰もなく、かつての登り道は竹や雑木、雑草に覆われ、どこが道だったか畑だったかわからなくなっている。けれど昔、この山は一面、集落の各家々の畑になっていて、わが家でもジャガイモなどを栽培していたので、母親の手伝いでよく山に上ったものだ。見晴らしがよく、広い水田越しに泉や小名浜方面を望めた▼人の手が入らなくなった山は多い。だから大雨が降って山の斜面が崩れたり、イノシシや時にクマが現れても山がどんな状態になっているかわからない。年に1度の山での参拝。自然への感謝の気持ちを持ち続けたい。
片隅抄