あれよという間に15日公示、27日投開票と総選挙の日程が決まった。候補者乱立の自民党総裁選から首班指名、石破内閣成立と一気に政局が動いた。いわき市にあっては、先月8日の市議選に続く国政選挙となる▼就任早々の石破首相も内にあっては、非公認組からのごうごうたる不平不満、外からは前後の発言ぶれに非難が高まるなど、かつて党内野党として舌鋒鋭く執行部批判をしていた面影はない▼先の総裁選で臆面もなく衆院解散を言ってのけた候補者がいたが、これは手の内を見せ過ぎた。伝家の宝刀は練りに練って抜くものである。この軽さが長期政権を維持した佐藤栄作後、後継争いした田中角栄、福田赳夫ら派閥領袖と違うところ▼懐旧の念ではないが、現在の政治家とはドラマのスケールが違った。さて、政権交代を切に願うなら投票行動は言うまでもない。15年前、旧民主党が勝利した時の衆院選投票率は本市67・02%、県全体で72・82%だった。
片隅抄