師走の慌ただしさから抜け出すことができず、あまりの目まぐるしさから年の瀬を感じられないでいる。先日、京都・清水寺で発表された1年の世相を表した漢字は「金」。読者諸兄姉の今年をあらわす漢字は何だろう▼個人的には「忙」の一文字が一瞬よぎるが、よくよく振り返ると、元日に起きた能登半島地震を支援する市民の声にしばしば耳を傾け、身内が取材を兼ねて珠洲市でボランティアに参加したことから、支え合いの「支」のほうがしっくりとくる▼彼らに話を聞くと、共通して返ってきた言葉は「震災や原発事故で受けた恩を返したいから」。東日本台風、昨年9月の豪雨被災の支援に対する感謝も。共助の精神が広く市民に浸透してきたことを実感した1年だった▼来月17日は阪神・淡路大震災から30年の節目。災害大国に住んでいることをあらためて認識する機会にし、災害への備えを万全にしたい。他人事ではなく自分事として見つめることが大事だ。