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片隅抄

2025.01.09

家々の基礎が残る中で、豊間中校舎にかかる「祝 第40回東北中学校バレーボール大会出場」の垂れ幕は、いまでも鮮明に覚えている。プールにがれきがうずたかく積み上げられ、目の前の薄磯海岸では警杖(けいじょう)を手に、いわき中央署員が行方不明者の捜索を行っていた▼あすから薄磯のいわき震災伝承みらい館で、震災で生じた津波遺留品(思い出の品)の最後の展示・返還事業が始まる。引き取り手が少なくなり、残された品の劣化が進んでいるため、市は14年の節目に処分を決断した▼同館によると、思い出の品は約5千点で、ランドセルや賞状、トロフィーなどがあり、全体の3割には所有者情報が記載されている。ならば何とか本人のもとへ返せないのかと、もどかしさでいっぱいだ▼処分は仕方ないが、少しずつ震災を知らない世代が増えている中で、災禍を「リアル」に感じられる存在として、可能な限り同館で常設展示し、後世に伝えることが望ましいと考える。

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