終息とまではいかないが、新型コロナもピーク時に比べ、落ち着きを見せていることから、巷では送別会などでにぎわっている。先日、業界の集まりのため、久しぶりに平の繁華街に繰り出した▼道すがら目に入ったのは、焼き肉店の多さ。食欲旺盛な客層をターゲットにしたものか、看板を見るだけで満腹感を覚える。いわき駅前が再開発される前、細い路地の奥まった所に1軒の店があった。朝鮮半島の地名が付けられ、周囲は昼でも薄暗く、入店に躊躇したが味は良かったと記憶している▼さまざまな店が混在する平のまち界隈。その歴史は浅くない。およそ100年前、旧平駅を中心に政治、地場産業、文化が隆盛。夜な夜な宴会が繰り広げられた。本紙2月17日、3月9日付「たいら花街戦前の芸妓展<上><下>」からは当時の華やかさが伝わってくる▼その資料を紹介した企画展が今月末まで、ひまわり信用金庫本店営業部で開かれている。一見の価値はある。