昼間は異常ともいえる暑さだが早朝に限っては涼しさが感じられる。それもつかの間、午前6時半すぎには東から差し込む強烈な日の光が酷暑の一日を暗示させる▼あすは、その暑さもひとまず落ち着くという二十四節季のひとつ「処暑」。かつて暦と季節は一体感があったが環境破壊などの影響からか、地球の軸がずれ世界各地が予期せぬ自然災害に見舞われている▼今夏、国内でも九州、東北と人命が失われるほどの被害をもたらした大雨。加えて、ここ数年頻発するクマによる人的被害。異常気象との因果関係を問う声もあるが、無関係ではなかろう。堂々と街なかに出没しては暴れまくる▼現在、小川の市立草野心平記念文学館の企画展では、作家吉村昭さんの作品世界を紹介している。数多くの著作には、知る人も多いと思うが大正時代、北海道で発生した巨大ヒグマによる惨劇を描いた『羆嵐(くまあらし)』がある。一読したが、リアルな描写に恐怖を味わった。