20歳前後の若者たちに日本酒の良さを知り親しんでもらい、消費拡大につなげる目的で始動した「いわきハタチ酒プロジェクト」。今回、第8期の活動の一つ酒米稲刈り体験が7日に行われた▼取材場所は常磐藤原町地内。付近にJRA競走馬リハビリテーションセンター(馬の温泉)がある。この日も厳しい暑さに見舞われた。田んぼの周囲は遮るものもなく、容赦ない日差しが突き刺さった▼気力がそがれそうになったが、生産者のご労苦に比べれば、こちらは足元にも及ばない。田んぼ所有の方は80歳半ばの男性。汗をぬぐいながら、若者たちに稲の刈り取りから束ね方まで懇切丁寧に指導した▼来年3月の新酒完成まで、まだ手を加えなければならない。稲作を原点に生まれた日本酒はその時々を常温、冷却、加熱で味わえる良さがある。これに旬の肴を加えれば、うっとりした心持になる。折しも秋の味覚サンマは近年にない豊漁と聞く。これを供に一献したいものだ。