テレビの鑑定番組である骨董市で古九谷とされる皿を購入した男性が出演した。本物と信じて疑わず、周囲にも自慢していたそうだ。見ていたこちらは半信半疑だったが、結果は偽物と判定された▼江戸時代前期に石川県で焼かれた幻の色絵磁器、本物なら数千万円は下らない品である。男性のなんとも言えない表情が忘れられない。平のアートスペースエリコーナで美術品を入札方式で購入する企画展が開かれている▼古九谷の出品はないが棟方志功、佐藤忠良、斎藤清らの書画、彫塑、木版画のほか、いわき市ゆかりの画家の作品など約150点が並ぶ。いずれも所有者の入札開始価格が明記され、希望者はその額を基準に500円単位で値を上げ、入札する▼リストにあった棟方志功の直筆書画『玄関』。店主によると所有者は米国ニューヨークで手に入れたという。観覧のみの来店も歓迎しているので、関心のある方はご覧になってはいかがか。会期は21日まで。