子どもの頃の家庭の味に「カツオの塩辛」があった▼行商の魚屋からカツオ1尾を丸ごと買い、赤身は刺し身に、頭は丸ごと味噌汁に入れてあら汁に、残りの内臓も捨てず塩辛にした。塩辛は祖母の手づくり。小学生だったから生臭さが気になったが、塩っ気が効いてご飯に載せてよく食べた▼塩ザケも好んで食べた。中でも激辛だ。こいつをご飯に載せて熱湯をかけて掻き込む。今のように食材が豊富にあったわけではないので、梅干しも含めておかずのポイントは塩っ気にあった▼60歳も半ばを超えた昨年の健康診断で心臓疾患を指摘された。少しの運動で息が上がる。高血圧や不整脈を鎮める投薬治療が始まった。塩分取りすぎの影響が老齢になって牙を剥きだしたか。塩分摂取は1日6gまでと知り、今は食品パッケージをひっくり返して塩分を確認している。以前から癌を恐れていたが心疾患を甘く見ていた。中高年のご同輩、塩分摂取過多にはくれぐれもご注意あれ。