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片隅抄

2025.11.06

市立草野心平記念文学館によると、小川町出身の詩人・草野心平(1903~88)は21年に中国・広州に留学した際、夭折した長兄・民平の遺品である3冊のノートを持参し、そこに書かれていた詩や短歌に触発され、創作活動を始めた▼同館で吉野せい賞の表彰式を取材した際、詩集「シリーズ 詩はきみのそばにいる」(ポプラ社刊)を紹介された。るるる…でなじみ深い「春殖」など心平の作品をはじめ、多彩なジャンルを網羅する。金子みすゞ、中原中也、谷川俊太郎らの作品に、短歌や漢詩、中島みゆきやYOASOBIと時代を彩る歌詞も▼市内在住の詩人・斎藤貢さんが原発事故を描いた「夕焼け売り」も収録されている。詩集の対象は小学校高学年~中学生。4冊で1万円を超え、個人で購入するのはなかなか難しい▼だからこそ学校の図書館に置いてもらえないだろうか。心平のように、子どもたちの心も動かすかもしれない。まさに「人づくり日本一」にうってつけだ。

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