浅草寺のシンボルとして親しまれている総門・雷門。風神と雷神を門の左右に奉安していることから正式名称は「風雷神門」▼いつも通り過ぎるだけだったが、何気に門の裏側を覗くと平櫛田中の名が。猛々しい風神雷神と違い、静謐(せいひつ)な佇(たたず)まいの天龍像が祀られていた。対の金龍像とともに水を司る龍神で、幾度も焼失と再建を繰り返してきた寺の護法善神という▼権威ある平櫛田中賞受賞作家・安藤栄作氏の個展が先日、泉のギャラリーいわきで行われた。震災で被災するまで20年以上、本市を拠点に活動し、円空賞に加えて3月には芸術選奨をも受賞。これほどの作家が小規模な市民ギャラリーで個展を開く機会はなかなかない▼決して偉ぶらず、縁を大切にする『安藤さん』らしい。軽快に小型バイクを駆り、小品を頭に乗せて写真に収まるお茶目な姿をつい思い出す。ただ大変な苦労人で、その道のりは平坦ではなかった。安藤さんの活躍は本当に大きな励みとなる。