『おいしいアンソロジー おやつ』
著 者:阿川佐和子ほか著著
出版社:大和書房
価 格:880円(税込み)
※紹介する人:猪狩千晶さん
チョコ、おはぎ、白玉…作家42人が熱い想い綴る
誰しもが、おやつにまつわる楽しい思い出や切ない思い出を持っているのではないだろうか。
本書は、日本を代表する作家42人によるおやつにまつわるエッセイがたっぷり詰まった1冊になっている。読めばクスリと笑ってしまう話もあれば、戦争や震災に関わった切ない話もあり、一冊でいろんな味わいのある話が盛りだくさん。どの作品もページ数は短くサクサク読めるので、空いている時間でも楽しむことができる。
気になっている作家や普段はあまり読まない作家を読むことが出来るのはアンソロジーの魅力の一つ。
42人の作家とあって、おやつに対する一つ一つの思い入れは個性が溢れており、おやつを通して作家たちの人生が見えてくるところも読んでいて面白い。時代とともにおやつも変化していくけれど、いつの時代もおやつに対する思いは変わらず人々の心を魅了するものだと改めて感じた。
読後、懐かしい気持ちにさせてくれると同時に心を優しく癒やしてくれる一冊です。(ヤマニ書房本店勤務)