著 者:渡部 潤一
出版社:NHK出版
価 格:1815円(税込み)
現代の天文学者が賢治の描いた宇宙を旅してみた
宮沢賢治の作品の中で天文といえば、代表作である「銀河鉄道の夜」を思い浮かべる方が多いと思います。
本書では、福島県出身の天文学者・渡部潤一さんが、賢治の残した作品の「星」や「月」といった天文に関する記述をたどり、賢治の人生や作品について読み解いていきます。
渡部さん曰く、作品に登場する数々の星や星座に関する記述は天文学者から見てもかなり正確であり、当時としては賢治の宇宙に関する知識が半端なものではなかったと語っています。
「銀河鉄道の夜」だけでなく、十数点の童話やいわき市ゆかりの詩人・草野心平との出会いや手紙なども紹介しています。また、賢治研究者の論考も引用し、賢治の半生やその時々の心情を描いているので、彼がどのような人生を送り、様々な知識を得てきたのかより深く味わうことができます。
賢治ファンはもちろん、天文学好きの方でも楽しめる内容になっています。秋の夜長に、夜空を眺めながら宮沢賢治の世界に触れてみませんか。
(ヤマニ書房本店勤務)後を継いだ父、父の出奔によって突然家督を継いだ若き町奉行。親子三世代それぞれの想いや葛藤が胸に沁みる、味わい深い時代小説です。
(鹿島ブックセンター勤務)
※紹介する人:猪狩千晶さん