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中面連載コーナー

『看板ボーイズ』

著 者:菊地 百恵
出版社:イマジカインフォス
価 格:1760円(税込み)

昭和レトロな実在の看板訪ね歩く男2人旅の訳は

 古本の街・神保町、ここに佇む古き良きレトロを漂わせる看板建築の一軒「相良珈琲店」。
 とある理由から取り壊し予定のこの店に引っ越してきた公務員の誠はその当日、突如現れたワタルと名乗る青年と同居することに。そして、押し入れから出てきた一冊のノートをきっかけに、看板建築を巡り歩く週末限定の数奇な男二人旅へと旅立ちます。
ノートに記された店舗を訪れるたび、浮かび上がる記憶の無い思い出と湧き上がるある感情、それらが看板建築に対する認識を変えていきます。作中に登場するお店は全て実際にある店舗を忠実に再現しているため、より精細に情景を感じることができます。
昭和の意匠を現代に色濃く残し、寂れた雰囲気も魅力に。そう感じさせる店舗の数々は決して明るい面だけではありません。
作中、誠が突き当たる壁として担い手不足による維持の難しさやそれに掛かる費用諸々があります。この問題をどう解決していくかもこの作品の見どころの一つです。
(鹿島ブックセンター勤務)

※紹介する人:高橋 譲さん

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