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原発処理水の海洋放出向けて 放水口になる構造物を海底に設置
東京電力福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水を巡り、来春にも行われる海洋放出に向けて、東電は18日、同原発から沖合1キロにある海底トンネルの放水口に、「ケーソン」と呼ばれるコンクリート製の箱型の構造物を設置した。
ケーソンは長さ12・2メートル、幅9・2メートル、高さ9・6メートルで、水深12メートルの位置に据え付けられた。最終的に、現時点で約600メートルまで掘削が進む海底トンネルと接続され、上部から処理水が海中に放出される。
海洋放出に当たって、東電は処理水に残る放射性物質トリチウムの濃度について、国の基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満になるよう、福島第一原発の港湾外から取り込んだ海水で希釈する。
東電のシミュレーションによると、放水口真上付近のトリチウム濃度は、最大で1リットル当たり30ベクレル程度で、周辺に広がる過程で濃度は速やかに低下し、人の健康や水産物にほとんど影響はないとしている。