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今年は草野心平生誕120周年 磐城高合唱部が歌い継ぐ「わが抒情詩」

 いわきが誇る近現代日本を代表する詩人・草野心平(明治36=1903年、現小川町上小川生まれ)は今年5月に生誕120周年を迎える。心平と言えば、蛙をはじめとする生き物を題材に、独創的なオノマトペ(擬音語)を用いた天衣無縫な言葉使いの作品で知られるが、近年注目を集めているのが戦後の荒廃した日本を描いた詩集「日本沙漠」だ。
 特に、同作の中に収められた「わが抒情詩」は合唱曲としても人気で、学生合唱団など幅広い年代に愛されている。心平の出身校でもある磐城高合唱部は、平成23年の東日本大震災以降、先輩から後輩へと歌い継いでいる。
 「くらあい天(そら)だ底なしの。くらあい道だはてのない。どこまでつづくまつ暗な。電燈(とう)ひとつついてやしない底なしの。くらあい道を歩いてゆく」
 磐城高の合唱部は、東日本大震災のあった年の定期公演で初めて同曲を披露した。以後10年以上にわたって持ち歌として歌い継いでいる。創部75年だが、これほど長く歌っているレパートリーは校歌以外では唯一。同曲を取り上げた経緯などは不明だが、同部の顧問の橋本葉司教諭(63)は「基本的に生徒主体で活動しているので、震災をきっかけに生徒が持ちかけた可能性もある」という。
 生徒たちは2月に心平の生家で行われる演奏会で、同曲とともに弟・天平の詩による合唱曲「幼い日の思い出」も初披露する予定で、日々練習に励んでいる。

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