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9月豪雨 市の検証チーム本格始動 東北大災害研との意見交換行われる

 9月にいわき市を襲った台風13号に関連した記録的大雨を受け、東北大(宮城県仙台市)の災害科学国際研究所を中心として、市の「検証チーム」が本格的に始動した。検証チームは柴山明寛准教授が全体を統括するほか、福島高専などとも連携し、内郷地区などの現地調査に入っているほか、6日には内田市長や県の担当者と最初の意見交換に臨んだ。
 いわき市と東北大は「防災にかかる連携と協力に関する協定」を締結しているほか、災害科学国際研究所では市総合防災訓練に協力し、内容について指導・助言を行ってきた。今回の豪雨を踏まえ、柴山氏は9月9日からいわき市を訪れており、災害の実態に関する調査を進めてきた。
 市の検証チームでは年内に中間報告を予定しており、来年度予算に災害関連の項目を盛り込む方針。最終的な検証結果は来年3月に示される。発足後最初の現地調査は2~5日に行われ、内郷地区の住民や、豪雨時に対応に当たった市職員らから聞き取りを展開した。
 主な検証項目として、内郷地区で浸水被害を生じさせた宮川・新川の実態を調査し、課題を整理することや、避難所運営や災害復旧の実態を見極めていく。また地域住民からの聞き取りや、線状降水帯を踏まえた降雨想定も展開していく。氾濫した新川や宮川は、県が管轄する二級河川のため、これら知見を共有していく。
 6日の意見交換では、線状降水帯の雨量に排水が追いつかないことで、水があふれる「内水氾濫」に対する避難指示のあり方が問われた。河川の洪水とは異なるため、カメラの設置を通じて、適切なタイミングで避難行動が取れないかと議論された。
 また内郷地区には、所有者が不明な「勝手橋」が存在することも指摘された。行政による橋りょうと異なるため、大雨で下流に流されてしまったり、流木等が引っかかってしまったりし、そこから河川の氾濫を招く可能性が伝えられた。二級河川に架かる勝手橋は県の管轄ではあるが、市ではいわき市全体で調査を実施する考えとしている。
 自動車での避難も話題となった。2019(令和元)年の東日本台風を契機に、平窪地区では車両を避難する先が決まっているが、これを拡充していく案も出された。内田市長は「逃げ遅れゼロ・災害死ゼロに向けて、さまざまな角度から検証を図っていきたい」と強調した。

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