日産自動車いわき工場の創立30周年記念式典が2日、泉町下川の同工場で開かれた。式典には従業員ら約600人に加え、地元関係者や歴代工場長6人も参加し、平田征志工場長や、小幡泰彦専務執行役員らがあいさつに立ち、さらなる飛躍を誓い合った。
同工場は1994(平成6)年、V型6気筒エンジン「VQエンジン」の専用工場として発足した。2011年の東日本大震災で被災するも、約2カ月で全面復旧宣言を果たした。エンジンに関しては、これまで約740万台を手がけており、現在もVQ、VRエンジンを年間計約5万台生産している。
2022(令和4)年には、L―link加工ラインが完成し、日産独自のハイブリッドシステム「e―Power(イーパワー)」の部品を製造・加工している。
平田工場長は30周年にあたり、「高い性能と品質によって、多くのお客さまに愛されてきた。これは工場メンバー一人ひとりの努力と、地域の協力会社による支援のたまもの」と強調する。
今後については、北米や中東向けの車両に搭載する「日産が開発する最後の高性能エンジン」(平田工場長)や、電気自動車用の新型バッテリーケース製造を進めていくと明かす。また工場内の風通しの良さも重要視しており、「『良くないことを良くない』と言えることが大切。そうした環境づくりや仕組みづくりを怠ってはならない」と話す。
通算3度目の同工場勤務として、2022年4月から工場長を務めており、「いわきの気風はとても心地よい。これからも地元と一緒に頑張っていく」と意気込んだ。
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