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錦東小に豊臣秀吉由来の桜贈られる 復興願って京都・醍醐寺 5年ぶり交流も

 東日本大震災の被災地支援として、世界遺産・醍醐寺(京都市)のしだれ桜から作られた苗木が1日、錦東小に贈られた。苗木は、豊臣秀吉が最晩年の1598(慶長3)年に催した「醍醐の花見」のサクラに由来し、同市の立命館小の児童たちが丹精込めて手入れをしてきた。
 いわき市の小学校に対する寄贈は、2017(平成29)年から続いているが、子どもたちの交流を含めた取り組みは、新型コロナウイルス感染症の影響で5年ぶりに実現した。
 しだれ桜の苗木は、クローン技術によって培養されたもので、住友林業が世界で初めて成功させた。2012(平成24)年に震災からの復興を応援しようと、この桜を活用した「京の杜プロジェクト」が発足。立命館小の子どもたちが、醍醐寺の落ち葉を集めてたい肥を作ったり、学校で普段の世話をしたりし、いわき市の学校には今回を含めて計8本の苗木が寄せられた。
 苗木の寄贈に合わせた植樹式が1日、錦東小で開かれ、5、6年生の約60人が、5年ぶりに来市した立命館小の3、4年生17人を出迎えた。式典は強風のため体育館で行われたが、醍醐寺の三好祥徳執行らが祈りをささげた後、子どもたちは互いにスコップと水差しを手にして、高さ約2㍍の苗木が元気に育つことを願った。
 錦東小の正木愛莉さん(6年)は「私は間もなく卒業を迎えるが、立派な桜が咲く日を楽しみにしている」と述べ、立命館小の酒井杜喜子さん(4年)は「皆さんの手で、大切に桜を大きく育ててほしい」と呼びかけた。
 震災から間もなく13年を迎える中で、だんだんと当時を知らない世代が増えてきたが、三好執行は「太閤さん(豊臣秀吉)とつながる桜を通じ、大変な災害を乗り越えたことに触れてほしい。自然の循環は命の循環。このいわきが優しい街になれるよう、遠く京都から毎日お祈りさせてもらいます」と語った。

 (写真1枚目:苗木を囲む錦東小と立命館小の子どもたち 2枚目:祈りをささげる三好執行=左=ら)

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