東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興を目指し、浜通りや中通りで整備する「ふくしま復興再生道路」の一環として、県道吉間田・滝根線で13日、田村郡小野町といわき市川前町小白井を結ぶ広瀬工区(延長9・2km)が開通した。
広瀬工区は震災翌年の2012(平成24)年に事業着手し、18年から工事を進めてきた。このうち川前町から田村市滝根町までの6・6kmに関しては、福島復興再生特別措置法に基づき、県道で初めて国の直轄権限代行事業として実施した。
県が残りの2・6kmを担い、新設の滝根IC(インターチェンジ)と、小野IC間は自動車専用道路となっている。
県道吉間田・滝根線は阿武隈高地を通るため、急カーブや急こう配が連続し、運転者への負担も大きい。国土交通省郡山国道事務所によると、2007年にのり面崩落で54日間の全面通行止めが生じ、14年には積雪で通行できなくなったことから、災害に強い道路も求められた。
新たな道路の開通によって、浜通りの復興が加速するとともに、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の推進に寄与するほか、中通りと結ぶ幹線道路としての機能が確保される。
また公立小野町地方綜合病院(小野町)へのアクセス向上に加え、川前地区に対する利便性も向上する。
小野町で開かれた開通式には関係者ら約150人が出席し、内堀知事や内田市長、村上昭正小野町長、白石高司田村市長が祝辞を述べた。テープカットに続いて通り初めが行われ、沿線のさらなる活性化に期待を寄せた。
(写真:広瀬工区の開通を祝す関係者ら)
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