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フラガールの出前授業始まる 震災・原発事故、コロナ禍乗り越えた経験伝える

 スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム(フラガール)が、県内全59市町村の小学校を訪問する出前授業「フラガールきずなスクール2024」は22日、常磐藤原町の藤原小で始まった。
 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の影響で、ハワイアンズが臨時休館を余儀なくされた際、全国各地を回った「フラガール全国きずなキャラバン」を踏まえ、震災を体験していない子どもたちに向けた活動として企画された。来年12月までに、すべての自治体に足を運ぶ予定だ。
 きずなスクールは、フラガールを養成する常磐音楽舞踊学院の創立60周年記念プロジェクトとして立ち上がった。「未来に向けてたくましく生きる力」をテーマに掲げ、震災後に生まれた小学3、4年の児童を中心に展開。震災に加え、コロナ禍を乗り越えたフラガールから、諦めない気持ちや仲間の大切さを対話形式で伝えていく。
 初回は、1966(昭和41)年に炭鉱の閉山が迫る中、地元を救おうとハワイアンズが生まれた経緯から、〝フラガールのふるさと〟の小学校として藤原小を選んだ。同校にはキャプテンのマーラエ穂里さん、サブキャプテンの渡辺真由さんが訪れ、3、4年の50人を前に講話した。
 初めに震災から復活したハワイアンズの様子とともに、自分たちの体験談を話した。神奈川県川崎市出身のマーラエさんは、母親が帰宅困難となり都内から徒歩で帰宅したと説明。いわき市出身の渡辺さんは、当時は小学5年で体育館の天井から照明が落下してきたと明かし、それぞれいつ災害が起きるか分からないことから、当たり前の日常を大切にしながら、備えを忘れないでほしいと呼び掛けた。
 コロナ禍の苦境についても触れ、動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」を通じて、自分たちの踊りを披露したエピソードを紹介。「共に練習する仲間と支えていただいたお客さまによって、苦境に打ち勝った」と強調した。
 子どもたちは話を受け、毎日の生活での幸せや、これから頑張りたいことを発表。また2人はアロハの精神を披露したほか、一緒にフラを体験する機会とショーの時間を設け、児童は楽しみながら理解を深めた。
 4年の佐藤羽奏さん(9)は「フラガールと一緒に踊れる貴重な機会がうれしかった。これまでも震災について見聞きしていたが、2人の話を聞いて、より身近に感じることができた。自宅は川の近くにあるので、もう一度災害について考えたい」と真剣なまなざしで語った。
 (写真:震災当時の様子について話すマーラエさん=右=と渡辺さん)

PR:いわき市北部地域を中心に、児童養護施設、老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウスをはじめ、診療所とデイケア、デイサービス、居宅介護支援、訪問介護、訪問リハビリと多種多様な福祉、医療事業を展開。

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