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高蔵寺のシャガ見ごろ 心和ませる気品漂う花々 境内に咲き誇る
高僧徳一によって807(大同2)年に開かれた、真言宗智山派の海雲山慈眼院「高蔵寺」(高倉町鶴巻、木村照典住職)の境内奥に群生する約50万株のシャガの花が満開を迎え、薄紫がかった白く気品漂う花々が参詣者たちの心を和ませている。
中国を原産とするアヤメ科の多年草で、森林周辺の湿った木陰などに自生する。高蔵寺では千手観音像を祀る観音堂と、1774(安永3)年に建立され、1981(昭和56)年3月に県重要文化財に指定された、三間四面の三重塔へと向かう杉林の参道両わきに群生する。
30年ほど前から次第に株を増やし、三重塔を背景に一帯を白く埋め尽くす情景は、高倉の晩春から初夏を彩る風物詩として知られるようになった。
例年4月下旬から5月上旬にかけて見ごろを迎えるが、今年は10日ほど開花が早く、いまが満開最盛期。この数日で一気につぼみが膨らんでおり、今週末が一番の見ごろか。三重塔は長年の雨風で所々に破損がみられることから、現在は解体修復中だが、来春には在りし日の姿を取り戻す予定。
木村住職は「この珍しい情景が見られるのは今しかない。この2、3年ほど咲き具合がいまいちでしたが、今年は白い絨毯(じゅうたん)のように一面に咲き誇りました。多くの方にご覧いただき心を癒していただけるとうれしい」と話している。
(写真:初夏を彩る風物詩として知られるシャガ)