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小名浜港の国際フィーダー航路 新たに神戸・井本商運が参画 物流活性化に期待
内航海運大手の「井本商運」(兵庫県神戸市)は13日、小名浜港から京浜港(東京、横浜両港)を経由し、東アジアや北米などを結ぶコンテナ航路「国際フィーダー航路」に関する内航船の定期航路を、約4年2カ月ぶりに再開すると発表した。
小名浜港の国際フィーダー航路の定期航路は今年2月に復活しており、海運大手が次々と小名浜港を福島県、南東北エリアの中継拠点とすることで、いわき市の物流のさらなる活性化や、ひいては地域経済に好影響が波及することへの期待が高まっている。
コンテナ船は週1回寄港する予定で、木曜日に京浜港を出発し、金曜日に小名浜港に入り、翌週の月曜日に京浜港に到着する。小名浜港の最初の寄港は31日。井本商運の定期航路は2020(令和2)年3月から休止していた。
定期航路の再開にあたり、香港の海運大手「OOCL(オリエント・オーバーシーズ・コンテナ・ライン・リミテッド)」と連携し、小名浜港発着の輸出入コンテナ貨物を京浜港で接続する。
小名浜港ではコンテナターミナルの機能強化として、今年3月から新たな大型クレーン「ガントリークレーン」が供用開始し、活発化するコンテナの荷役に対応する環境が整えられた。同社も「小名浜港の施設拡充に伴い、再開の運びとなった」と説明している。
小名浜港における国際フィーダー航路は20年5月を最後に途絶えていたが、今年2月に「鈴与海運」(静岡県静岡市)が新たに就航。井本商運の再開によって、2社がかかわることとなった。
物流を巡っては、地方港の役割が大きくなっている。陸送で京浜港を利用する場合、入港待機時間が必要となるため、週当たりの便数が制限されるが、内航船を活用することで、輸送費を抑えつつ、往復する便数が増やせるメリットがある。
また持続可能な社会の実現を目指し、海運による低炭素輸送が図られるほか、ドライバーの残業制限で輸送能力が不足する「2024年問題」への対応にも効果が発揮される。
井本商運の再開について、内田市長は「本市の地域経済の活性化に大きく寄与するものと捉えており、大変喜ばしい」とコメントしている。
(写真:今年3月から供用を開始した小名浜港の新たなガントリークレーン)