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東日本国際大 全日本大学野球・準々決勝で上武大に勝利 あす初の決勝懸け早大と
大学野球の日本一を決める「第73回全日本大学野球選手権大会」(全日本大学野球連盟などの主催)は13日に大会第4日を迎え、東京・明治神宮野球場で準々決勝4試合が行われた。
南東北大学野球連盟代表の東日本国際大は、関甲新学生大学野球連盟代表の上武大(群馬県)と対戦し、延長十回タイブレークまでもつれ込む激戦の末、4―3で競り勝ち、2年ぶり3度目となる4強進出を決めた。
東日本国際大は三回に3点を先制されたが、六回に2点を返し、八回に佐藤紅琉(3年・明秀日立)の犠飛で同点に追いついた。試合は無死一、二塁で始まるタイブレーク方式の延長に持ち込まれ、先頭打者の黒田義信(2年・九州国際大付)の安打で満塁にすると、2番・森川大輝(同・青森山田)の犠飛で勝ち越しに成功した。
準決勝は15日、初の決勝進出を懸け、明治神宮野球場で早稲田大(東京六大学野球連盟代表)と戦う。午後2時開始予定。
<藤井ロングリリーフ 気迫の投球見せる>
○…主戦の藤井優矢(4年・角館)は、3日連続となるロングリリーフをきっちりと成功させた。11日の初戦は6回1/3、12日の2回戦も4回1/3を無失点で抑え、準々決勝では3点を追う展開で声がかかり、三回途中から7回1/3を投げ抜いた。得点圏に走者を抱える緊迫した場面が続いたが、最速150㌔を誇る直球と、カットボールやスライダーなど多彩な変化球で的を絞らせず、試合の流れを東日本国際大に引き寄せる好投をみせた。
○…藤木豊監督は藤井を後半に送り込む予定だったが、永井龍樹(3年・明秀日立)が打線につかまり、誤算が生じた。ただ藤井は「他の投手には自分が後ろにいるから、気にせずどんどん投げてほしいと伝えていた」。救援陣の大黒柱は三回2死二、三塁のピンチでマウンドに立つと、強い気持ちで後続打線を断ち切った。
○…仲間を信じ、1点リードで臨んだ延長十回タイブレーク。先頭打者のバントが飛球となったが、落ち着いてバウンドさせて三塁に送球。三、二塁で併殺を奪う好プレーをみせると、続く打者も三飛に仕留め、緊張から解き放たれかのように全身で喜びを爆発させた。
○…試合後、「疲れました」と振り返るも、その顔には充実した表情が浮かんだ。次は優勝候補の一角で、元プロ野球選手の小宮山悟監督率いる早稲田大が相手となるが、藤井は「初(の決勝進出)っていうのは自分たちの代でやりたいので、そこは狙っていきたい」と堂々宣言。頼れる男がチームに新しい景色をもたらす。
(写真:好リリーフで勝利を呼び込んだ藤井)