農地の取り扱いや農業振興に向けた「第18期いわき市農業委員会」の第1回総会が9日、市役所東分庁舎で開かれた。新たな会長に蛭田元起委員(75)=山田町、会長職務代理者に鈴木義直委員(60)=平下平窪=が選出された。任期は3年間。
今期は新任7人・再任17人の計24人が市農業委員を務め、総会では安藤靖雄副市長のあいさつに続き、来賓の大峯英之市議会議長、上野徳夫県いわき農林事務所長が祝辞を述べ、それぞれ農業の活性化に貢献してほしいと呼びかけた。
<蛭田会長の横顔>
農業委員は7期22年の実績。前期まで2期6年にわたり会長職務代理者を務め、今期から会長に就いた。30歳の時にUターンし、コメ農家として文字通り汗を流してきた。
農地を巡って公正公平な対応を取ることはもちろん、農業の生産性向上を後押しする「地域計画」の策定にあたり、関係者の聞き取りを基にした目標地図の素案作成に尽力するほか、国の制度を活用した地域農業振興に努めていく。
時代とともに農業を取り巻く環境は変化し、水稲栽培に関しても「かつては冷害に苦しんだが、いまは高温対策に取り組む必要がある」と強調。高齢化による耕作放棄地を生まないよう、行政と連携した担い手確保も急務だ。
「農業は子育てと同じ。うまくいかないときもあるが、種をまき稲を刈り、一生懸命向き合ってきた」。本業の傍ら、少年補導員や保護司として地域を見守っており、その厳しくも温かいまなざしは一貫している。
(写真:新会長の蛭田元起氏)
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