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草野心平記念文学館 古関裕而・金子夫婦との交流など描いた企画展始まる

 連日熱戦が繰り広げられている夏の高校野球福島大会、26日にパリで開幕する五輪。両大会を象徴し、今も親しまれている楽曲を創作した本県を代表する作曲家・古関裕而と妻金子、そして小川出身の詩人草野心平との縁を取り上げた企画展「古関裕而展―裕而と金子の往復書簡―」が、市立草野心平記念文学館で行われている。
 古関の作曲家としての歩み、金子との出会い、そして後年、同郷の心平と初めて共作した「猪苗代国体讃歌」、県内の小中学校の校歌などを通じ、あまり知られていないふたりの鬼才の交流が紹介されている。いわき民報社など後援。9月23日まで。
 古関裕而は1909(明治42)年に福島市に生まれ、「栄冠は君に輝く」「オリンピックマーチ」をはじめ映画、演劇、校歌、社歌など幅広い分野の作曲を手掛け、生涯5千曲余の作品を生み出した。
 「巨人軍の歌~闘魂こめて~」「阪神タイガースの歌(通称・六甲おろし)」といった応援歌も創作。朝の連続テレビ小説「エール」のモデルになり、昨年、野球殿堂入りしたのは記憶に新しく、あらためて裕而の生きざまなどが脚光を集めている。
 心平は6歳年上で、満州事変から日中戦争、太平洋戦争に至る厳しい動乱期を生きたが、群を抜いたふたつの才気が交錯したのは、戦後20年以上も経った昭和40年代後半。1974年年2月に本県初開催となった冬季国体スキー競技まで時を置く。
 今展では裕而作曲、心平作詞の猪苗代国体讃歌の直筆譜、それをきっかけにタッグを組み創作した福島市立蓬莱東小など県内各地の小中学校の校歌をはじめ、裕而の長男で音楽家の古関正裕さん、福島市古関裕而記念館の協力を得、裕而と金子が独身時代に交わした書簡、「高原列車は行く」などをイメージした裕而直筆の色紙絵、SPレコードといった数々の貴重な資料約100点を並べた。
 裕而が作曲したたいら小唄、湯本小唄、常磐炭礦の社歌といったいわきとかかわりある資料のほか、国体讃歌の発表会で初めて出会った際の様子、それから交流が始まり、裕而から心平に福島の伝統食品「紅菜漬(鮭を紅麹で発酵させた保存食)」が贈られたこと、金子が心平の詩に傾倒していたことがうかがえる手紙も展示されている。
 (写真:展示されている数々の資料)

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