夏の甲子園を目指す「第106回全国高校野球選手権福島大会」(県高野連など主催)は24日、福島市の県営あづま球場と白河グリーンスタジアムで準々決勝4試合が行われた。
3校がベスト8に勝ち残ったいわき勢のうち、あづま球場の第1試合ではノーシードのいわき湯本が、第1シードの優勝候補・聖光学院と対戦し、6-8で敗れた。いわき湯本は先制されても追いつき、完投したエース岩並の力投もあって聖光学院を2度逆転する粘り強さを見せたが、最終回に突き放され、湯本高時代の2018(平成30)年以来、6年ぶりのベスト4進出はならなかった。
続く第2試合はいわき勢同士の対決となり、第4シードの磐城が2―1で第5シードの東日大昌平を下した。磐城は2001年以来、23年ぶりに4強へコマを進めた。27日午前9時半から、あづま球場でいわき湯本に勝利した聖光学院に挑む。(磐城-東日大昌平の話題は25日付に掲載します)
<いわき湯本 王者・聖光追い詰める堂々の戦い>
春の県大会は五回まで1―0とリードしながら、後半に大量失点し、1―10で八回コールド負けしたいわき湯本にとって雪辱の機会となった。高野が中6日の登板と休養十分に対し、いわき湯本の岩並裕晃(同)は21日に七回を完投したばかり。
それでも小さな体を躍動させるダイナミックなフォームから伸びる速球と鋭く変化するカットボール、やスライダーを駆使して九回113球を完投した。「聖光打線は甘い球を見逃してくれなかった。でもチーム全員で戦えて楽しかった。それだけに勝ちたかった」と気丈に自分の投球を振り返った。
その岩並を捕手としてリードした嶋根主将(同)は「岩並はしっかりと強気で、ぼくのリードを信じて投げてくれた。チームとしても最後までひっくり返せると思って戦った。春に負けてから1球1球を大切にする、エラーを引きずらないことを心がけてきた。だから投手は踏ん張り、チャンスで打てた」と胸を張った。
小野裕久監督も「これまでならバタバタして崩れてしまうところを、最後まで頑張った姿にたくましさと成長を感じた」と選手たちをたたえた。
(写真:5点目となった鈴木琉のホームイン=いわき湯本)
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