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中之作港盆踊り大会 津波で道具流失乗り越え14年ぶり復活「まさに感無量」

 いわき市の港町・折戸地区で13日、東日本大震災の影響で途絶えた「中之作港盆踊り大会」が14年ぶりに復活を果たした。折戸地区では40年以上前から、地元の夏の催しとして盆踊り大会を行っていたが、震災の津波によって祭り道具が流失する被害に遭った。それからやむなく取りやめていたが、地域住民の後押しで復活することが決まった。
 「まさに感無量。きょうは子どもたちも多く来てくれてうれしいね」。折戸区長の坂本政男さん(75)は、会場となった中之作港の一角・折戸多目的広場の盛り上がりに目を細めた。中央には久しぶりに大漁旗をあしらったやぐらが組まれ、周囲には輪投げやヨーヨー釣り、射的といった露店も並んだ。
 集落の近くでは最大で6・81mの津波を記録しており、祭り道具は港近くに保管していたため、すべて流されてしまった。追い打ちをかけるように、東京電力福島第一原発事故が港町に暗い影を落とした。
 坂本さんは「なかなか『また祭りをやろう』という気持ちにはなれなかった」と振り返る。祭り道具を新調するには資金も必要となる。しかし住民の熱意に加え、日産スマイルサポート基金や赤い羽根共同募金の助成を受け、再開にこぎつけることができた。各世帯や企業も快く協賛金に応じてくれた。
 5月から実行委員会を組織し、折戸区に加え、折戸ふるさとを守る会やNPO法人中之作プロジェクト、消防団などが協力。7月中旬からは子どもたちを交え、盆踊りの練習を展開した。
 当日はミニライブ、江名・真福寺による震災の犠牲者と新盆の供養に続いて、待ちに待った盆踊りが始まった。辺りが少しずつ暗くなる中、威勢の良いおはやしが響き渡った。坂本さんは「きょうがスタート。これが継続できるよう、来年以降に向けてまた頑張っていきたい」と力強く意気込みを示した。
 (写真:子どもから大人まで楽しんだ盆踊り)

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