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小名浜「うどん香蔵」とのがみ・新妻さん承継 いわき信用組合ファンドなど活用

 久之浜町や市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」に出店する飲食店「和食処とのがみ」は、いわき信用組合がベンチャーキャピタルと展開する「磐城国地域振興第2号ファンド」(磐城国2号ファンド)を通じ、小名浜花畑町の「うどん香蔵」を事業承継した。いわき信用組合が30日に発表した。
 和食処とのがみの代表・新妻篤さん(51)は板前としての修業経験を生かし、東日本大震災による津波で母を亡くした悲しみを乗り越え、2017(平成29)年4月に久之浜町のコミュニティー商業施設「浜風きらら」に自分の店を構えた。その後は仕出し割烹を始めたほか、22(令和4)年7月にはコロナ禍後の観光需要を見据え、いわき・ら・ら・ミュウに2号店を出した。
 こうした中、うどん香蔵の「改めて個人ベースで経営をしたい」との考えを踏まえ、昨年12月に事業を譲渡する話が持ち寄られ、新妻さんが引き継ぐことを決めた。うどん香蔵は2015年5月にオープンし、自慢の讃岐うどんを求めて県内外から多くの人が足を運んでいる。
 資金調達にあたり、磐城国2号ファンドとともに、いわき信用組合が代表機関の事業者支援の連携体「磐城国地域プラットフォーム」から日本政策金融公庫いわき支店も加わり、多様なスキームで地元に愛される飲食店の事業承継を導いた。
 新妻さんは「繁盛店を引き継ぐことになるが、たくさんのファンの方がいる香蔵の味をしっかり守っていく」と決意を示す。将来的には、その味を広めるための多店舗展開も計画している。
 (写真:うどん香蔵の事業を承継して意気込む新妻さん)

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