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音色再び ピアノショップいわき・遠藤さん 能登半島地震で被災のピアノ修復

 今年1月の能登半島地震で中規模半壊となった石川県輪島市の住宅で、雪や雨にさらされたアップライトピアノが大久町のピアノ調律師で、ピアノショップいわき(平字作町)代表の遠藤洋さん(65)の手によって修復され、このほど、現地に送り届けられた。
 東日本大震災で津波をかぶり、修理は不可能とされながら音色を取り戻した市立豊間中のグランドピアノ「奇跡のピアノ」を復活させたことで知られる遠藤さんは、「被災した人のせつない気持ちは震災を体験して初めて知った。心の痛みに直面している人のためにできることをしただけ」と話している。
  今回、修復したのは渓口裕子さん(77)が50年以上前に両親から買ってもらい、大切にしてきたピアノ。元日の地震で渓口さん宅の割れた窓から吹き込む雪や雨で傷んでいた。
 遠藤さんは7月、石川県内でピアニスト西村由紀江さんが奇跡のピアノを奏でる復興支援コンサートを開いた。被災自治体を通じて修理を要するピアノを募り、渓口さんが身を寄せる、娘の特定非営利活動法人(NPO法人)職員倉本沙織さん(52)=同県穴水町=が修理を依頼した。
 コンサートに合わせてピアノを搬出した遠藤さんは「全体に水分を含んでおり、鍵盤が重たく音のバランスが崩れている」と診断。いわき市までトラックで持ち帰り、湿気で不具合が生じていた、弦をたたくハンマーの軸をはじめ、鍵盤の沈み込みなどを調整するなどして修復した。
 8日、倉本さん宅でピアノと再会した渓口さんは「柔らかくてきれいな音。修理を諦めかけていたので幸せ」と喜んだ。
 遠藤さんはこれまで奇跡のピアノをはじめ、2020(令和2)年7月の豪雨で被災した熊本県球磨村の村立渡小のグランドピアノ(修復後に希望のピアノと命名)や令和元年東日本台風で被害を受けたピアノもよみがえらせてきた。
 (写真:ピアノを修復した遠藤さんと、渓口、倉本さん=右から)

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