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アクアマリンふくしま ゴマフアザラシ「ユキナ」天国へ 開館当初から人気

 2000(平成12)年7月15日の開館当初から親しまれてきた、ゴマフアザラシの「ユキナ」(オス、27歳)が19日午後2時半、静かに息を引き取った。
 同館では、ユキナと同じく開館当初から人気を集めていたトドのイチロー、フクのつがいが昨年8月に老衰で亡くなっており、相次ぐ訃報に悲しみの声が上がるとともに、東日本大震災を乗り越え、同館の人気を支えてきたユキナへの感謝の気持ちが寄せられている。
 長くユキナの体調を管理していた獣医師の富原聖一さん(51)によると、14日ごろにエサを食べずに遊んでいるような様子が数日間続いたため、展示水槽から隔離。熱も高く感染症が疑われたことから、抗生物質と解熱鎮静剤を投与した。解剖したところ、お腹の下大静脈が大きく腫れていたといい、循環不全が死因とみられる。
 水族館では40歳を超える個体も見受けられるが、自然界での寿命は25歳前後。ただユキナは震災当時、神奈川県の新江ノ島水族館に避難した後、半年後に戻って多くの市民、子どもたちを元気付けた同館の復興の象徴的存在だっただけに、富原さんは「正直、もう少し長生きしてほしかった。開館当初からいた最後の個体で人気者だったのでとても残念ですし、非常に悲しい」と肩を落とす。
 同館ではつがいの「くらら」(メス、13歳)と、くららとの間に2021(令和3)年3月に生まれた6頭目の子「だいふく」は元気に暮らしており、ユキナの遺志、血を継ぐ子どもたちが新たなアクアマリンふくしまを引っ張っていくことを、多くのファンたちが望んでいる。
 (写真:来館者に親しまれてきたアザラシ「ユキナ」)

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