新たなスタートを切る、川前発のクラフトビールで乾杯!――。いわき市唯一のクラフトビール醸造所「SANDi BREWERY(サンディー・ブルワリー)」が、早ければ11月にも川前町下桶売で稼働する。手がけるのは元川前町地域おこし協力隊員の三戸大輔さん(37)で、醸造所わきに自宅を構えてオープンに向けた準備を進めている。
醸造所にはコミュニティースペースと、その場でビールを提供するブリューパブを併設するほか、たき火やバーベキューができるスペースを用意し、将来的にはゲストハウスの整備も計画。「いわきのビールと言えば、サンディー・ブルワリーと言われるよう頑張りたい」と意気込む。
人口減少はいわき市にとっても避けられない課題で、特に中山間地で著しい傾向にある。川前地区の人口は9月1日現在の783人に対し、市の推計では2060年に138人まで落ち込むとされるが、醸造所の稼働により川前が注目されることで、自然豊かで魅力あふれる環境を発信していく拠点としても期待が高まる。
三戸さんは泉町出身。28歳の時に地元の住宅メーカーを退職し、バックパッカーとして海外を放浪した際、オーストラリアで自家製ビールの製造に目覚めた。30歳で「ビールの本場といえばドイツ」と思い立ち、現地の醸造所で勤務した後、欧州各地や米国でクラフトビールに触れ、帰国後は広島県福山市で修業を積んだ。
クラフトビール造りを志して帰郷し、2020(令和2)年に川前町地域おこし協力隊員に就くと、かつて地域でビールの原料でもある大麦とホップが栽培されていたことを知り、地元住民と協力して復活。試作を重ねていき、昨年3月に任期を終え、醸造所の立ち上げを本格化させた。
醸造所には米国製のタンク4基やコンテナ式冷蔵庫を完備し、予約制で仕込み作業が体験できる。初年度は香りを楽しみながら、ゆったりと飲めるエールビールを中心に6千lの製造を見込む。
「川前では紅葉が始まっている。四季の美しさを、クラフトビールとともに楽しんでもらえれば」と三戸さん。最新の情報はインスタグラム<こちら>まで。
また三戸さんはインターネットによるクラウドファンディングを通じ、建物の改修・改装費用や製造機器の購入費用などの一部を募っている。
返礼品にはサンディー・ブルワリーの初醸造したクラフトビールや、醸造所の見学、オリジナルビールの醸造、三戸さんが出張して提供するプライベートビアなど、多彩なコースを用意した詳しくは<こちら>。
(写真:醸造所のオープンに向けて準備を進める三戸さん)
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