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全日本吹奏楽コンクール 磐城2年ぶりに挑む 銅賞も力強いサウンド披露
第72回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟などの主催)の高校の部は20日、栃木県宇都宮市の宇都宮市文化会館で開かれ、いわき市からは東北代表として、磐城が2年ぶり23回目の出場を果たした。結果は惜しくも銅賞だったが、出演順が全体の1番で会場が温まりきらない中でも、力強いサウンドを披露し、聴衆を魅了する演奏を繰り広げた。
高校の部には全国11支部の代表30校が出場し、前半と後半の15校に分けてそれぞれ独立して審査された。奏者の上限は55人で、4曲の中から1曲を選ぶ課題曲と、団体ごとに選曲する自由曲の2曲を12分以内に演奏することが求められ、金・銀・銅の各賞が贈られる。磐城は課題曲にゆったりとしたテンポの行進曲「フロンティア・スピリット」(伊藤宏武作曲)、自由曲に「竹取物語」をモチーフにした和風の作品で、美しい音色と高い技術が要求される「白磁の月の輝宮夜」(樽屋雅徳作曲)を選んだ。
昨年は、全国大会3年連続出場の翌年が不出場となる旧規定を除き、23年ぶりに東北代表を逃した磐城。部長の薄井菫さん(3年)=トランペット=は「いまの3年生の代表で、去年の東北大会の夜から話し合いを重ね、『何が足りなかったか』『どういう練習をすれば良いか』を考えてきました」と明かす。新たな取り組みとしては、あえて合奏の並びを変え、隣に普段とは異なる楽器を配置することで、旋律や伴奏に対するそれぞれの理解を深める機会を設けた。
本番にあたっては「賞にとらわれて硬い演奏にならないように。一番は自分たちが楽しんで、聴いてくださる方に感動してもらおう」と呼びかけた薄井さん。表彰式後には思わず悔し涙があふれてきたが、「自分たちのできることは最大限できました」と振り返った。卒業後も音楽の道に進む夢を持っており、この経験を生かしていく決意だ。
顧問の橋本葉司さんは「素晴らしい演奏でした。誇りに思ってください。そしてまた明日から頑張りましょう」と生徒たちをねぎらった。
(写真:2年ぶりの全国大会を終えた磐城高吹奏楽部)