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磐城平城下の変遷と暮らし学ぶ「講演会とまち歩き」始まる 11月には第2弾
磐城平城を地域活性化に向けた〝たから〟として未来に継承し、ふるさとの歴史に対する関心を高めてもらおうと、参加無料の「磐城平城関連講演会&まち歩き」が20日にスタートし、市文化財保護審議会委員の田仲桂さんが「平城下の変遷と人々の暮らし」と題して講演したほか、参加者約50人がかつての平城下町を歩んで往時を偲んだ。来月は本丸跡などの発掘調査に焦点を当てた講演会とまち歩きが行われる。市文化財課主催。
講演会の会場となったのは、かつての武家屋敷跡に立地するJRいわき駅前ビル「ラトブ」6階のいわき産業創造館。田仲さんは江戸幕府が1644(正保元)年に作成・提出を命じた城絵図の控えで県指定文化財の「正保平城絵図控」と、「磐城平古地図」=18世紀=、市指定文化財の「磐城平城下絵図」=1789(寛政元)年=の城下絵図を取り上げ、現在の地図と比較することで藩の治政の中枢となった磐城平城下の変遷をくっきりと浮かび上がらせた。
江戸の町割りを参考に整備され、内藤家統治時代(1622~1747年)の領内の村数は約160、人口は7万人弱~8万人強。町人の住居は現在の本町通りが軸となり、2代藩主・内藤家の統治初期、同通りは(間口の広い)一~三町目に荒町で構成されていたが、100年ほどで五町目まで町域が拡大し、新たに鎌田、北目町など町奉行の支配地が増えているのが地図から読み取れるという。
また参加者たちは田仲さんの案内を受けながら、いわき駅を起点に武家屋敷が建ち並びメインストリートだった並木通り、町人文化が育まれた本町通りを歩み、往時の城下町に思いを巡らせた。
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講演会&まち歩きの第2弾「掘り出された磐城平城~最新の発掘調査成果から~」は11月15日に市文化財保護審議会委員で、市考古資料館長の木幡成雄さんを講師に招き、同所といわき駅、城跡周辺で行われる。
開催時間は午後1時半~4時。定員50人で、締め切りは30日。詳しくは<こちら>。
(写真:武家屋敷が並んでいた並木通りを歩く参加者)