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いわき市立美術館 2日から「牛腸茂雄写真展」 鋭い洞察力一堂に
昨年に没後40年を迎えた写真家牛腸茂雄(ごちょう・しげお)の作品を一堂に紹介する企画展「牛腸茂雄写真展〝生きている〟ということの証」が2日から、市立美術館で開かれる(同館主催)。
同展では生前に制作された写真集『日々』(1971年)、『SELF AND OTHERS』(1977年)、『扉をあけると』(1980年)、『見慣れた街の中で』(1981年)の収録作品、未完に終わった『幼年の「時間(とき)」』の作品、関連資料など約240点を展示し、近年再評価されている牛腸のまなざしに迫る。会期は12月15日まで。
牛腸は1946(昭和21)年、新潟県加茂市出身。3歳で胸椎カリエスを患い、長期間にわたり下半身をギプスで固定される生活を余儀なくされたことで成長が止まるなど生涯、身体的ハンディキャップを負うことになった。
10代からデザイン分野で非凡な才能を発揮、三条実業高商業科(現・三条商業高校)卒後、東京の桑沢デザイン研究所に入校し、写真家であり教育者の大辻清司に見出され、写真の道を歩むことになった。レンズを通じ創造の世界に没頭した牛腸は限られた命を自覚、「〝生きている〟ということの証」として写真集制作に心血を注いだ。
同展では、静逸で淡々としながらも「自己と他者」の関係性を鋭い洞察力で表現した数々の作品が見る人の胸に迫る。開館時間は午前9時半~午後5時(入館は閉館30分前)。休館は月曜(ただし4日は開館、翌日休館する)。観覧料は一般800円、高・高専・大生300円、小・中生200円。
(画像:牛腸茂雄写真展のチラシ)