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勿来町の強盗殺人事件 被告の53歳男に無期懲役判決 金品奪う意思認定

 いわき市勿来町の住宅で昨年2月、金品を強奪する目的で、家人の無職小松ヤス子さん=当時(85)=をネイルハンマーで殴って殺害したとして、強盗殺人の罪に問われている、本籍新潟県妙高市、無職木村進被告(53)=福島刑務所に別の事件で服役中=の裁判員裁判・判決公判は6日、地裁郡山支部(下山洋司裁判長)で開かれ、求刑通り無期懲役の判決が言い渡された。
 判決によると、木村被告は昨年2月3日午後1時4分ごろ~18分ごろの間、小松さんを殺害して金品を奪おうと考え、いわき市勿来町窪田町通一丁目の住宅で、小松さんの頭部などをネイルハンマーで多数回殴打し、重症頭部外傷に基づく出血性ショックで死亡させた。
 木村被告は裁判で、小松さん宅に借りていた3千円の返済のため訪れると、既に何者かに襲われて瀕死で倒れており、パニックになって殴ってしまったほか、不審な人物がいないかそのまま室内を土足で探したため、盗んだ金品はないと主張。裁判では金品を奪う意思が争点となった。
 下山裁判長は現場の状況から、強盗を辞さないとの計画のもとに準備しており、資産家と知っていた小松さんから金品を奪おうと考えていたと指摘。木村被告の行動は不自然で一貫性がなく、「捜査段階からたびたび供述を変遷させ、その態度からは罪を免れようとする姿勢が強くうかがわれる」と退けた。
 量刑の理由としては、「被告人の身勝手で利欲的な意思決定は強く非難され、頭部を陥没骨折や粉砕骨折が生じるほど強い力で多数回殴打したことは極めて危険で強固な殺意に基づいている」と強調。刑事責任を軽くするために不合理な弁解に終始し、「真実を話してほしい」とする遺族の思いにも応えていないことや、犯行後に空き巣未遂におよぶなど法規範を守ろうともしておらず、無期懲役刑が相当と結論付けた。
 (資料写真:福島地裁郡山支部)

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