市役所本庁舎の北東側に立つケヤキの大木がお色直しをした。小枝が落下するため、幹から広がる枝を中心に剪定(せんてい)。すっきりした姿に生まれ変わった。
市と、いわき総合図書館の元館長で、いわき地域学會幹事などを務める地域史研究家の小宅幸一さんによると、本庁舎は昭和48(1973)年、平工業高の旧校舎跡地と周辺に建設。ケヤキを植えた時期は不明だが、本庁舎が完成する5年後の写真にケヤキが写っていないことから、その後も続いた本庁舎駐車場の整備に合わせ植樹した可能性が高いという。
剪定を請け負った業者によると、ケヤキの高さはおよそ15m。半世紀で生長したとは考えにくいことから、「植樹した時点でそれなりの高さだったのでは」と推測。「樹齢100年を超えているかもしれない」という。
樹木の専門家によると、ケヤキは樹齢400~500年以上は当たり前で「50年~100年はまだ子どものようなもの」という。土壌などの環境によって生長具合は異なるが、樹木として寿命が長く、巨樹・老樹となったケヤキもよく知られている。
「暑い日に信号待ちする際、大きな日陰ができていたので下涼みに利用していた」という市民は、「今年の夏はどんな姿になるのか楽しみ」と話していた。
(写真1枚目:枝の剪定作業が進むケヤキ 2枚目:枝を大きく広げる姿=昨年6月)