トヨタ自動車などが出資する技術開発会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(CJPT)は28日、泉町下川のいわき流通センターで、水素で発電する燃料電池(FC)トラックの見学・試乗会を開催した。
会場では来年3月までに導入予定のFC大型トラックがお披露目され、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現を目指し、物流関係者に対する呼びかけが行われた。
FC大型トラックの積載量は約11tで、50kgの大型高圧水素タンクを搭載し、約600kmの航続距離を実現。走行時に二酸化炭素を排出しないほか、一般の車両と比較して走行音は静かで、振動が少ない利点がある。
福島県では脱炭素に向けた取り組みを進めており、2023(令和5)年1月からFCトラックの実用化にあたり、「福島発」の水素・技術を活用し、生活インフラを中心とした水素の社会実装を開始。いわき市からは▽小名浜包装資材▽シオヤ産業▽田村建材▽根本通商▽磐栄運送▽大和電設工業=五十音順――が参画した。
同年2月には根本通商に対し、全国で初めてFC小型トラックが納入された。最大積載量(3t)の荷物を積んだ状態で、260kmの走行が可能となっており、いわき市には3月までに20台の配置が計画されている。
県内では根本通商が運営する「いわき鹿島水素ステーション」をはじめ、計5カ所で水素ステーションが稼働している。燃料電池自動車(FCV)の普及に向けては、水素を充てんする場所の拡大も必要で、担当者は「車両が先か、水素ステーションが先か悩ましいところだが、多くの事業者の皆さんに導入してもらいたい」と述べた。
(写真:見学・試乗会が行われた水素で発電して走る大型トラック)
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